穴澤貴行先生 (責任著者:波多野悦朗)の論文が発表されました。

当科 講師 穴澤貴行先生の論文が発表されました (責任著者:波多野悦朗先生)。

日本肝胆膵外科学会プロジェクト研究(NCD消化器外科領域研究課題) 『リスク調整後アウトカム指標を用いた高難度肝胆膵外科手術のNCD参加後経時的パフォーマンス評価と影響分析』の結果が、Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciencesに掲載されました。

手術成績のアウトカムが改善したかどうかを評価するには、症例レジストリに登録されたデータからの単なる症例数や死亡率の比較のみでは不十分で、対応する患者のリスクが異なることを考慮した評価、すなわちリスク補正されたアウトカムでの評価が必要です。この研究では、高難度肝胆膵外科手術の代表である膵頭十二指腸切除を取り上げ、NCD登録データを用いてリスク調整後アウトカム指標を示し、その経時的変化を評価しました。その結果、2014年から2020年にかけて顕著な手術関連死亡率の低下が得られていることが確認され、特に、Grade
Cの膵液瘻の発生率が顕著に減少していることが明らかとなりました。その他、高度技能専門医認定の有無、および高度技能修練施設認定の状況に応じた手術成績の変化も示しております。今後の肝胆膵外科手術の質の改善をどのように発展させていくかを検討するうえで、大変重要なデータになりうるものと思われます。

 

Anazawa T, Yamamoto H, Hatano E, Gotoh M, Nakamura M, Ohtsuka M, Endo I. Trends in the Outcomes of Advanced Hepatobiliary-Pancreatic Surgery: The Impact of a Nationwide Clinical Database and Surgeon Certification System. J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2025 May 13. doi: 10.1002/jhbp.12158. Epub ahead of print. PMID: 40364607.