脳死・生体肝移植診療における、ドナーおよびレシピエントの術前評価・手術・周術期管理に関する観察研究 当該研究の意義、背景と目的

京都大学病院では1990年の生体肝移植実施以来、2017年末までに18歳未満の小児肝移植900例(うち脳死肝移植17例)、成人肝移植958例(うち脳死肝移植46例)を実施しており、単一施設としては国内で最大の症例数を有しています。肝移植手術の成績を向上させるためには、手術手技の改善のみならず、肝移植の適応から術後管理を含めた包括的な周術期ケアの改善が必須です。我々はこれまで、手術手技はもちろんのこと、術前・術後の管理を含めた数々の研究により、その成績向上に貢献してきました。しかし肝移植の長期生存例が増えるにつれ、これまでに経験されなかった問題や合併症が出現しつつあります。これにより過去には注目されなかった要因が、移植後の成績に関与していると判明する場合も出てきました。このように、当院における国内最大の症例経験を再検討し、今後のより良い肝移植医療に活かしていくことは、我々の使命でもあると考えています。
対象
1990年1月1日から2020年3月31日までの期間に、肝臓移植のために当院肝胆膵・移植外科・小児外科を受診されたすべての患者さん及びドナーが対象となります。受診後、移植の適応から外れ、肝移植が不可能であった症例も含まれます。
方法                                             2020年3月31日までの既存の試料・診療記録(カルテ)を用います。既存の試料については、新たな検査法を施行、診療記録については、治療歴、検査歴(下記)を振り返り、データを集積します。得られたデータをもとに、統計学的解析を行い、初診時の肝疾患の状態や背景因子と,期間中の最終治療方針についての関連性を検討します。また、術前術後因子と、移植後の予後との関連性を検討します。この研究のために新たに侵襲のある検査や治療を行ったりすることはありません。
研究結果の発表・研究成果の帰属
解析により得られた結果は、学会発表および論文発表にて公表します。研究成果は京都大学肝胆膵・移植外科、臓器移植医療部に帰属します。
個人情報保護に関する配慮                                   患者に関する臨床情報は匿名化され、当施設内にて個別保管します。解析結果の発表に際しては、この匿名化した集計結果を使用するため、個人が特定されることはありません。
患者への説明同意
本研究は、既に行われた診療の記録をもとに、後ろ向きに調査を行う疫学研究です。そのため、患者さんに対する個別の説明や文書による同意取得は特に行いません。
参加拒否について
もしこの後ろ向き調査の対象となることを望まない場合は、拒否することができます。参加を拒否することにより今後の診療に不利益を被ることはありません。
資料・情報の二次利用の可能性について
本研究に用いたデータを、将来別の視点から評価・解析する必要が生じた場合、データを二次利用する可能性があります。その場合にはあらためて京都大学医の倫理委員会の承認を得た上で、情報を公開して行います。本研究は倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施するものです。
研究機関
京都大学医学部附属病院 肝胆膵移植外科/小児外科/臓器移植医療部
研究代表者:肝胆膵移植外科 上本伸二
連絡先
京都大学 肝胆膵・移植外科
担当者:八木真太郎、宮地洋介、平田真章
〒 606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
(TEL) 075-751-4323
京都大学相談窓口:京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
(TEL) 075-751-4899 E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp