浜松ろうさい病院 井ノ口 健太先生の研究論文 (責任著者 講師 穴澤 貴行先生)がOnline発表されました。

当科所属(現浜松ろうさい病院)の井ノ口健太先生の研究論文 (責任著者 講師 穴澤 貴行先生)がTransplantation誌にacceptされ、Online発表されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38192025/

「同種膵島移植は、重度低血糖発作を伴う1型糖尿病に対し血糖値に応じたインスリン分泌を可能とし、糖尿病を根治しうる優れた低侵襲移植治療です。
ドナーの出現に依存し、治療に必要な膵島を十分に確保するのは困難であるという課題があり、多能性幹細胞由来の膵島細胞を活用することでの解決が模索されています。
この場合、移植片の観察、除去が可能で、低侵襲に移植できる皮下が有望な移植部位とされています。
移植前に皮下に血管を新生させることが必要と考えられていますが皮下への血管新生の際に誘発された反応が移植細胞に与える影響は十分に解明されていません。

本研究の結果、事前の血管誘導において、より長く移植前血管新生を行った群は移植成功率が高く、血糖正常化に要する期間が短いことが判明しました。
移植部位における炎症性サイトカインを評価したところ、血管新生後短期は、好中球とマクロファージが蓄積し、TNFとIL-6が有意に高値でありました。
抗TNF抗体および抗IL-6抗体を用いることで血糖正常化率が改善し 、血糖正常化に要する期間を短縮することが可能で、炎症性サイトカイン、特にTNFとIL-6の産生が生着を阻害することが判明しました。

これらの結果は 皮下膵島移植の最適化、および移植片の生存率と移植片の生着率を向上させる治療戦略において、貴重な知見を提供するものであると思われます。