京都大学肝胆膵・移植外科とは?

肝胆膵領域の疾患を治療

一般外科は主に腹部内臓器の疾患を外科的に治療するところでありますが、腹部内臓器は食道、胃、大腸などの管腔臓器と肝臓、膵臓等の実質臓器に分けられます。

京都大学外科(肝胆膵・移植外科)では肝胆膵領域の疾患の治療にあたっています。(管腔臓器の治療は消化管外科が担当しています)。

肝胆膵領域の手術の特徴

かつては胆嚢摘出術くらいのものであった腹腔鏡手術も、最近では消化管外科の領域では逆に開腹ですることのほうが少ないくらいに増えています。

外科を目指す研修医が昔と比べて開腹下手術の経験を積む機会が減ってきているのは事実です。

専門的な解剖学的知識、手術技術が要求される

しかしながら、肝胆膵領域の手術はいまだに開腹ですることの方が多いです。

その理由としては肝胆膵領域が解剖学的に複雑であること、より細やかな血管処理を必要とすること等があげられます。一般の消化管外科の技術の上に、血管縫合の技術が要求されることも、肝胆膵外科の特徴であります。

専門的な解剖学的知識、手術技術が要求される肝胆膵領域をあつかえるということは一般外科医としての最終目標の一つでありましょう。

肝胆膵領域の手術の特色

肝胆膵外科を習得するにはトレーニングが必要であります。

しかしながら、一般病院ではその症例数は少ないことが多いです。それは肝胆膵を専門としている病院に症例が数多く集まってくるからです。

十分な症例数、肝胆・膵・移植のすべての症例を担当

当科にはトレーニングを積むのに十分な症例数が集まってきます。定型的な肝切除、膵切除はもちろんですが、血行再建が必要な肝切除、膵切除も多いです(むしろそういう難易度の高い症例が多く紹介されてきます)。

生体肝移植症例は国内でNo.1であり、レシピエント手術では血行再建を、ドナー手術では定型的な肝切除を勉強することが出来ます。臨床3グループで構成され、各グループが偏ることなく肝胆道外科、膵臓外科を勉強し、さらには肝移植についても学び、最終的には肝胆膵領域全ての手術に精通することを目標としています。

肝胆膵・移植外科入局者募集について

肝胆膵・移植のエキスパートを目指している方、一般消化管外科のトレーニングは十分受けたが、肝胆膵については不十分で勉強しようと思っている方のみならず、一般外科を目指している後期研修医にとっても当科で学ぶことは非常に有意義であると思われます。

京都大学肝胆膵・移植外科/小児外科に入局し、一緒に外科医としての技術の幅を広げませんか?

診療内容・手術統計について

2019年1月—2019年12月

領域 疾患 手術症例数 (腹腔鏡手術)
肝臓 肝細胞癌、転移性肝癌、肝内胆管癌など 93 ( 57)
胆道 肝門部胆管癌、胆嚢癌、胆管癌、胆石症など 65 ( 35 )
膵臓 膵癌、膵管内乳頭粘液腫瘍、膵内分泌腫瘍など 70 ( 11)
肝移植レシピエント(脳死+生体肝移植) 肝硬変、肝細胞癌、PBC、劇症肝炎など 39 ( 0 )
生体肝移植ドナー 生体ドナー 32 (26)
その他   60 ( 2 )
  359 ( 131)