岡村祐輔先生の論文がTransplantationにアクセプトされました。
生体肝移植後グラフト不全に関しては、small for size syndromeが主に議論されてきましたが、手術手技や周術期管理の改善に伴い、グラフトサイズの影響が小さくなっています。近年、肝移植後の血清ビリルビン値や凝固能の早期グラフト不全予測への有用性が全肝移植を中心に報告されています。本論文では、当院の生体肝移植260例をレビューし、肝移植後7日目の血清ビリルビン値≧10mg/dL、PT-INR≧1.6はそれぞれ早期グラフト不全の予測に有用であることを報告しました。特に両クライテリアを満たす場合の180日グラフトロスは68.2%と高率であり、再移植などの対応が求められます。研究および論文作成に際しまして、ご指導・お力添えいただいた先生方に厚く御礼を申し上げます。