3月3日をもって臨床試験「切除不能肝細胞癌におけるアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法、外科的切除を用いた集学的治療の安全性、有効性を検討する多施設共同第II相臨床研究」(RACB試験)の登録が開始されました.京都大学肝胆膵・移植外科教授波多野悦朗が研究代表者となって全国の医療機関と研究を行ってまいります.
昨今,肝細胞癌に対する薬物治療の発展が著しく,従来は切除不能とされた肝細胞癌でも薬物治療後に切除が可能となる症例が見られるようになってきました.本研究は切除不能肝細胞癌に対して免疫チェックポイント阻害剤アテゾリズマブと血管新生阻害剤ベバシズマブとを組み合わせた併用療法を行うことによって,外科的切除などの治療の安全性や有効性を検討する臨床試験です.本研究が,切除不能肝細胞癌の患者さんの治療選択肢を増やし,予後の向上に資することを期待しています.